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同窓生インタビュー
<2004年秋>
中山莉彩さん NIC第14期生 東京都私立晃華学園高校出身
カリフォルニア大学バークレー校 芸術学部
選ばない私…
〜Yes, No,ではない第三の道
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◆違いを気にしないアメリカ
「私って、どこの国の人なのか、わかりにくいらしいんです。」 天真爛漫な表情でそう話す中山さんは実際、台湾人とのハーフだという。 でも日本にいるときは、そんなことをあまり意識したことはなかった。 「名前も普通だし、特別視されたことはなかったんです。でもこっちに来てからは初めて会う人からよくオリジンを聞かれる。それで自分のルーツを強く意識し始めました。」 確かに多民族社会のアメリカでは日本で出身を聞くのと同じ感覚で、初対面の人に普通にオリジンを聞く。別にどこの国だからどうとか、ハーフだからどうとかいうこともない。それが別に珍しくもなんともなく、普通のことだからだ。 「でも、こっちではミックス・カルチャーってアピール材料にはなるんですよ。いろんな人と仲良くなれやすい気もするし…。私は今、日本人とか台湾人とかいうより、アジア人という感覚で生活しています。」 そんなアメリカの雰囲気が居心地がいい。
◆2つの興味を融合
そんな中山さんだが、もともとはイギリス留学を考えていたという。 「高校のときに交換留学で行ったことがあるんです。日本とイギリスは文化が深いという点で共通しているので、価値観とかエクスチェンジしやすいと思いましたね。」 でも、中学の頃からニューズウィークを購読し、いろんな国の人と交流したい欲求があったため、最終的には多民族国家アメリカを選んだ。 「あと大事だったのは、ダブル・メジャーができるという点。父親が医者ということもあって子供の頃からメディカル分野には興味があったし、でもアートも好き。両立できるのはアメリカの総合大学だったんです。」 そしてまずは短大に入学した中山さんは、この2つを融合できる可能性にも気づいた。 「心理学のクラスのボランティア活動で、DV(ドメスティック・バイオレンス)防止センターの手伝いに行ったんです。そこには壁一面に絵が貼って、とがっていたり、色が暗めだったり、特徴的なものばかりだったんです。『これだ!』って思いましたね。人間の心は言葉より絵で表現しやすいって。」 それはアートセラピーという分野があることに気づいた瞬間だった。 だから今はアートとプリ・メディカル(医学部進学課程)のダブル・メジャーをしている。 「日本だと、この2つのダブル・メジャーって、ありえないと思われますよね。でも、こっちの友達は『いいじゃん、やろうよ』と言ってくれる。ありえないということがない。これがアメリカ。」
◆『ぬるま湯』だった日本
バークレー校には全米はもとより、世界中から学生が集まってきている。キャンパス内を歩いている学生の顔や服装も、多種多様。そんな希望通りの環境の中で、希望通りダブル・メジャーをして充実した毎日を送っている中山さんは、高校時代は方向性が見出せずに戸惑う日々だったという。 「日本って、私にとっては『ぬるま湯』だったんです。熱くも冷たくもない。気持ちいいけどボーっとしている内に時間が過ぎていく。私は刺激が欲しかったし、人生に響くような何かを経験したかった。だから高校時代は、あらゆることに手を出しましたね。クラブ活動、バンド活動、生徒会、他にも色々やりました。やっていれば何かがあると思ったんです。でも、期待したようなものは得られなかった…。」 だから高校のときから留学しておけばよかったとも言う。 「言葉が喋れないと、本当の自分の能力より劣って見られることが多いですよね。もちろん言葉の問題だけじゃなくて、自分の意見を持つということと合わせてですけど、そんな習慣を身につけるには早ければ早いほどいいと思うので…。」 でも時間は戻らない。だから今を生きるしかない。 「最初の頃は、英語が通じなかったらどうしようとか思ってましたけど、しばらくしてから『聞き取れない、理解できない相手が悪い!』と開き直りました(笑)。今はもう誰にでもどんどん喋りかけるようにしてますね。」
◆いつも道を2つ作ってしまうけど…
それでもまだ言葉の壁はある。 「まだ言いたいことをスムーズに伝えることができていないんです。いつも途中で止まってしまう。でもそんなとき友達は言ってくれる。「Never
mind.
気にしないで続けなよ。途中でとまってしまう方が、余計にわからなくなるよ。」そして、それでも言えないときは「こういうこと?」と聞いてくれる。それが嬉しい。」そしてまた、「私はアジア人」と言いつつも、日本と台湾の両方のことを理解しようとしている。 「アートのクラスで日本のアーティストの話になったとき、よく質問されるんです。でも答えられなくて悔しい思いをする。あと中国語のクラスも取ってみたけど、父親に話してみるとぜんぜん通じない…。これもくやしい。」 2つの国にオリジンを持ち、学ぶ分野も2つ。「たまに思うんです。『私はいつも道を2つ作ってしまうな』って…。だからいつまでたっても集中できない。でも、それはそれでいいんだとも思っています。」 アメリカはイエスとノーがはっきりしていると言われる。でも、どちらかを選べないとき、第三の道を選ぶこともできる。選ぶというより、自分で作り出すといったほうが正しいかもしれない。 中山さんにはやりたいことがたくさんある。だから迷うことも多いのかもしれない。でも、やりたいことが何もない人よりは、はるかに幸せだ。
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